オリエンテーションホール
埼玉県内で発見された巨大ザメ「カルカロドン メガロドン」や謎の海獣「パレオパラドキシア」の化石を展示しています。
また、長瀞に代表される埼玉の自然の特性や見どころを分かりやすく解説しています。
さらに、体験ゾーンや無料の音声ガイドを楽しむことができます。
巨大ザメ カルカロドン メガロドン
生態復元模型
博物館に入ると、頭上に全長約12mの巨大ザメの復元模型が展示してあります。
これは「カルカロドン メガロドン」という今から2500万年前から400万年前に世界の海に栄えた巨大な肉食性のサメです。
新生代新第三紀中新世に最も繁栄し、鮮新世に絶滅したと考えられています。
昭和61年(1986年)春、このサメの歯化石73本が、埼玉県深谷市(旧大里郡川本町)の荒川河床に分布する約1000万年前の地層(比企層群土塩層)から発見されました。一個体の歯がこれだけたくさん発見されたのは世界初のことでした。
1個体分の歯がほとんどそろっていたため、歯の位置関係(歯列)を推定することができ、正確なアゴの復元模型と体全体の生体復元模型を製作することができました。
当館では、この発見により採集された歯化石(実物標本)と、アゴの復元模型及び体全体の生体復元模型を展示しています。
アゴの復元模型の前で記念写真を撮ることもできます。
深谷市産出カルカロドン メガロドン歯化石(実物化石)
アゴの復元模型
謎の海獣 パレオパラドキシア
今から約1500万年前(新生代新第三紀中新世)の秩父盆地は、奥秩父の山すそまで海が入りこみ、東に開く入江となっていました。秩父の太古の海「古秩父湾(こちちぶわん)」には、パレオパラドキシアという海獣が生息していました。
パレオパラドキシアは、約2300万年前から1200万年前まで海に生息していた、今は絶滅してしまった哺乳類のグループです。「パレオ」は「昔の」、「パラドキシア」は「矛盾した」を意味します。大昔に生きていた謎の多い生きものであることから、このような名前がつけられました。
のり巻を束ねたような臼歯(奥歯)や、厚い板状の胸骨などが特徴です。
埼玉県からは、世界で最も多くパレオパラドキシアの化石が発見されています。中でも、昭和47年(1972年)に埼玉県秩父市で発見された大野原標本と昭和56年(1981年)に埼玉県小鹿野町で発見された般若標本は体の骨の大部分がそろっている、いわゆる「全身骨格」であり貴重なものです。当館では両標本の実物化石を展示しています。
パレオパラドキシア般若標本(実物化石)
天然記念物 古秩父湾の地層と化石
平成28年3月、当館所蔵のパレオパラドキシア化石6件と、クジラ化石3件及び秩父地域に点在する6つの露頭(ろとう※地層が見られる場所)が、国の天然記念物に指定されました。
埼玉県内では48年ぶりとなる国天然記念物で、日本列島形成当時の環境と、生物相を象徴するものとして評価されました。
当館では、国天然記念物に指定された9件全ての化石の実物標本を展示しています。
秩父の太古の海「古秩父湾(こちちぶわん)」には、パレオパラドキシアをはじめ、クジラやサメ、イルカなど多様な動物が生息していました。
古秩父湾はどのように誕生し消滅したのか、当時はどのような状況だったのかを紹介する動画をスクリーンに投影しています。
パレオパラドキシア大野原標本(実物化石)
長瀞の自然
名勝・天然記念物「長瀞」で今の季節、どのような動物や植物が観察できるのかを、写真や標本、レプリカなどでご紹介しています。
ぜひ、博物館を見てから長瀞へ自然観察に出かけてみてください。
また、長瀞の自然観察に役立つオリジナルマップを配布しています。
埼玉県のシンボル
埼玉県では埼玉の自然について知っていただくため、5つの生物を県のシンボルとして指定しています。
県民の鳥「シラコバト」、県の木「ケヤキ」、県の花「サクラソウ」、県の蝶「ミドリシジミ」、県の魚「ムサシトミヨ」です。
このコーナーでは、標本やレプリカを用いて、それぞれの特徴や、シンボルに指定された理由をご紹介しています。
さわれるはく製コーナー
このコーナーのはく製は、危険な薬品や材料を使用しないで製作されているため、実際に手でさわることができます。
毛の硬さや体の形を直接手で感じることができます。イノシシやキツネ、タヌキ、アナグマなどの動物のはく製をさわることできます。
また、各はく製には、点字による種名や解説がつけられています。
ディスカバリーコーナー
お子様に人気の体験コーナーです。開けるとびっくり!中には○○が?楽しさいっぱいの引き出しが並びます。
また、ホネホネパズルにチャレンジしたり、アンモナイト化石をさわってみたり、楽しみながら埼玉の自然にふれてみましょう。
直径約1.3m!木のつくりを学べる大きな切り株もあります。
植物コーナー
様々な工夫のつまったタネや、埼玉で見られるカエデを一覧にした標本、過去開催した企画展を凝縮したミニミニ企画展など、色々な切り口で、埼玉の植物について、ワンポイントでお伝えしています。
また、ここから見えるカエデの森は、当館の隠れた名所です。外の景色を見ながらベンチで一休みすることもできます。
鳥の鳴き声コーナー
埼玉で見ることができる鳥類のはく製を展示しております。
音声ガイドを使用すると、それぞれの鳴き声を聞くことができます。姿を見ながら実際に聞いてみてください。